
今日は実例・実話つぶやきっぽくお伝えします。
私の周りでは実家の片付けが現実的な課題として浮上してくる年代になりました。
自分の家庭や仕事で精一杯の中、実家のことまで手が回らない――
そう感じているワーキングマザーも多いのでは。
親との関係がうまくいっておらず、手伝うこと自体に抵抗がある方もいるかもしれませんね。
私自身も昨年から、80歳を目前にした両親の家、父の実家・曾祖父の家のライフオーガナイズに取り組み始めました。
そこで改めて痛感したのが、代々受け継がれるものと感情の整理、介護、そして両親の体力・環境管理の難しさです。
片付けを進める中で見えてきたのは、
大切なのは理想論ではなく、「今の暮らしに本当に合った進め方」を選ぶこと。
そのためのサポートこそが、必要なのだということでした。
「どう生きたいか?」を現実ベースで言語化する

今回、我が家の実家片付けで大切にしたテーマは、次の3つでした。
・物量の多さによるストレスから解放されたい
・家族の歩んできた軌跡を大切に残したい
・寝たきりの父が育った家としての思い出を守りたい
実は、最初からこれほど明確なテーマがあったわけではありません。
冷蔵庫の片付けから始めた当初は、母は目の前のことをこなすだけで精一杯でした。
毎日の介護と家事に追われ、自分自身の価値観すら曖昧なまま。
何を大切にしたいのか、どうしたいのかを考える余裕はありませんでした。
そんな中、ライフオーガナイズとカウンセリングで
「思考の整理」と「価値観の明確化」を重ねていくうちに、
これまで言葉になっていなかった母の
「本当はこう暮らしたい」という想いが、少しずつ浮かび上がってきたのです。
一方で、介護をしながらの生活には「気持ちはあっても、体力が続かない」という現実があります。
だからこそ、理想を押し付けるのではなく、今できる範囲で、何を大切にし、無理せず何を叶えていくのか。
そこを一緒に整理することから、片付けを始めました。
「捨てる」から「何を残したいか」へ視点を切り替える
我が家にあるのは、三世代分の家財。
今回は、そのうち昭和初期に建てられた曾祖父母の家で生前整理の専門業者の方と現地打ち合わせを行いました。

調査当初は業者さんも
「これは処分ですね」
「これは残しましょう」
というように、一般的な判断基準で話が進んでいました。
しかし、対話を重ねるうちに、判断の軸を切り替えることに。
捨てる物を探すのではなく
「これは残したい」
と思える物を、先に選ぶという方法です。
家族が大切にしてきた調度品。
芸術作品の数々。
父の幼少期の記憶につながる品々。
これからも手に取り、触れていたい物。
残したいと感じる物。
母の口から自然と溢れてきたのは、
「捨てたい」という言葉ではなく、
「大切にしたい」という想いでした。
そこにあったのは、父への感謝、
そして父へと紡いできた亡くなった御先祖様への感謝でした。
不思議なことに、残したい物が明確になると、
手放す物も自然と見えてきます。
何を選び、何を残すのか。
その主役は、あくまでも“本人”です。
作業は「2時間が限界」と決め、環境を整える
体力面を考慮し、作業は1回につき2時間までと明確に決めました。
長時間がんばることよりも、「無理なく続けられること」を最優先にしたのです。
作業時間の長さだけでなく、
・途中で必ず休憩を入れること(つい勢いで継続しがち)
・次回はいつ、どこを行うのかを事前に共有すること
・終わった後に疲れを残さない動線、安全を考えた環境を整えること
こうした“作業そのもの以外の環境づくり”にも、しっかり時間をかけました。
無理をしない。
頑張らせない。
一緒に作業できる状態を整えることが、結果的に遠回りのようでいて、いちばん確実に前に進む近道だったと感じています。
まとめ|親の片づけは「生き方の総まとめ」、そして暮らしを守るサポート
両親のライフオーガナイズに取り組んでみて感じたのは、
必要なのは片づけの技術以上に、「どう寄り添うか」だということでした。
今の体力。
それらすべてを尊重しながら整えていくこと。
それこそが、本当の意味でのシニアのライフオーガナイズなのだと思います。
実家のライフオーガナイズは、これで終わりではありません。
暮らしと人生に合わせて、これからも少しずつ続いていきます。