「もっと役に立てる自分にならなきゃ」
そう思うほど、心が重くなっていませんか。
先日のメンタルオーガナイズスキルアップ勉強会では、
「人の役に立つとはどういうことか」をテーマに対話しました。
参考図書は、井上慎平さんの
『強いビジネスパーソンを目指して鬱になった僕の 弱さ考』です。

頑張るほど苦しくなる理由
15年間、医療機関で心理カウンセリングに携わってきました。
いままで、多くのうつ病のクライアントと関わらせていただきました。
実は、産後に私自身がうつ状態になったことで、
カウンセラーに転身したので自分の経験から
うつ病になる人には、どうやら共通点があるように感じています。
その中の一つに、「役に立たなければ価値がない」と
思い込んでいることが挙げられます。
真面目で頑張り屋、完璧主義で責任感が強い人ほど、
燃え尽きやすいということです。
勉強会でも
「家族や職場のために頑張ってきたけれど、
自分を大切にできていなかった」という声がありました。
“役に立つ”を成果や我慢で計測しようとすると、
心は静かに、でも確実に疲弊します。
メンタルオーガナイズの視点

ライフオーガナイズは空間だけでなく、
思考や感情も整理します。
今回のワークでは
参考図書の井上慎平さんが本の中で投げかけられた言葉を、
MOの参加者の皆さんとディスカショしました。
時間の使い方に関しては、自分が「不安」だから
時間を癒しや安心感を得るために使い、
時間の無駄とは安心できなかった時間であるという、
奈都子先生の示唆してくれた内容にことに同意していました。
「役に立たないと自分は生きる権利はない。
その不安を解消するために一生懸命何かに取り組むことに時間を費やす。」
不安から生まれる行動、
果たしてそれは人のために本当に役に立つのでしょうか?
私がうつ状態になった経験から

産後うつ状態になった後、
だいぶたってからパニック障害も患いました。
その時に感じたことは「虚無感」。こんなに頑張ってきたのに、
どうして?という思いに囚われていましたが、
今思い返せば、役に立ちたいとエネルギーを出し続けた私の根幹は、やはり恐れや不安。
その経験をもとに
弱さを認めることは、甘えではありません。
むしろ持続可能な貢献の土台です。
本当は、ありのままの自分で、
役に立とうなんて思っていないけれど、
その人の存在自体が「安心」
であることが本当の意味での「
人の役に立つこと」なのではないでしょうか?
「人の役に立つこと」とは記憶と関連している
最後に、心に響いた奈都子先生のコメントを。
「自分が誰かの中に存在している
記憶が人の役に立っていると言うこと」
記憶。人の役に立つことは現在進行形で
何かを貢献しているだけではなく
その人の在り方がどう心に映っているかが残っているかなのですね。
・・・そういえば、実家の片付けで家に帰っていました。
父は30年間寝たきりの1級障害者ですが、
今でも人気者です。
訪ねてくる人が後をたたず、
お茶を飲みに寄ってくれる人、
生活を助けてくれる人、
時には雑誌の取材を受けたり芸術作品の個展を開催したり。
まさにこれこそ、父の周りの人の記憶の中で、
父の元気な頃、そして障害者になってからの30年間の父が
その人たちを冗談混じりで叱咤激励し、
笑っている記憶がそうさせているのだと思います。
